Yukawa-Nakayasu 《 hold our breath underwater O 》
¥168,000
crystal on glass
35 × 27 cm
2024
*作品は展覧会後9月以降の出荷になります
Artworks will be shipped
from September after the exhibition
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一人の人間が世界を描くという仕事をもくろむ。長い歳月をかけて、地方、王国、‥‥星、馬、人などのイメージで空間を埋める。しかし、死の直前に気付く、その忍耐づよい線の迷路は、彼自身の顔をなぞっているのだと。
— J.L. ボルヘス、創造者(岩波文庫) ( 鼓 直 (翻訳))
反復によって描かれたダブルイメージは、
脳内でイメージの衝突を起こさせ、徐々にイメージの境を中和していき
「あるがまま」の状態へと落ち着きます
— Yukawa-Nakayasu、2024
Yukawa-Nakayasuは2020年から、有機物の結晶化現象を起こす液体で描く「Crystalline painting (結晶ペインティング)」に取り組んでいます。夢で出会った人物をえがく本シリーズでは、みる角度によって結晶の光の反射が変化し、人物像が揺らぎ、ときには結晶の模様へとうつり変わります。このような鑑賞体験は、さながらおぼろげな夢での出会いを思い起こさせると同時に、この世に存在するものがうつり合いのなか関係しあっていることを想起させます。
本作は、2024年6月29日の夢で出会った同一人物を、2枚に描き分けた一方の作品です。2つのポートレートの間にある差異は、無/意識下にあるイメージの不確かさや、人の印象の揺らぎからくるもので、《 hold our breath underwater 》をこれからも作り続けることで何が見えてくるか楽しみだと作家は語ります。
Yukawa-Nakayasuは、コロナ禍の2021年から夢日記をつけ、夢にまつわる作品を他者と共に制作してきました(*1)。本作では、作家の日々の夢をインスピレーションにしている点で、より暮らしに寄りそい、SUCHSIZEのコンセプトにあった作品といえるでしょう。
夢に着目したシュルレアリスムの運動を組織した詩人アンドレ・ブルドンが「自由というただひとつの言葉だけが、いまも私をふるいたたせるすべてである」とシュルレアリスム宣言(1924)で語っています。あれからちょうど100年が経とうとしている2024年に、本作が思い出させてくれることもまた、夢を介した世界の描き方かもしれません。
(*1) http://yukawanakayasu.net/works/w28_tobita.html
Crystalline painting
《 薫りのささやきと echoes in second nature 》
イチノジュウニのヨン/SUCHSIZE, 大阪
2024.1.19 - 2.27
Yukawa-Nakayasu
Yukawa-Nakayasu creates artworks that reinterpret and recontextualize the activities of people inherent in history, customs and habits, to visualize the unspoken phenomena and issues of the present. In 2019, they co-founded the art hub TRA-TRAVEL and produce exhibitions as a team, such as “In the Era of Asia’s Post-LCC” (Kyoto Art Center) in 2020.
「歴史や習俗や習慣に内在する人々の営み」を現代へと再解釈 / 再文脈化する事をとおして、現在起きている言語化できない現象や問題を視覚化する作品を制作。特に、近年では「自然の循環」まで視野を広げ、人々の営みと自然の循環との相互関係に着目している。また 2019 年からアートハブTRA-TRAVELを立ち上げ、2020年「ポストLCC時代の 」(京都芸術センター)などの展覧会をプロデュースする。
http://yukawanakayasu.net/
https://tra-travel.art/